
### 自動腕時計のゼンマイに関する解説
自動腕時計のゼンマイは、腕時計ムーブメントの重要な部品であり、通常の手巻き時計とは異なります。自動時計のゼンマイには「尾フック」がなく、ストライプボックスの内壁に掛けられていない特徴があります。尾には「副ゼンマイ」があり、電流スポット溶接によって一体化しています。
ゼンマイは自由状態でS状を呈し、「副ゼンマイ」の変形方向は反対で、反膨張力を持ちます。この「副ゼンマイ」は、ゼンマイよりも狭く、厚さは約1.5倍あり、長さはカートリッジ内をほぼ一周します。
ゼンマイが条箱に入ると、「副発条」は内壁に対して膨張力のある摩擦を生み出します。発条が完全にきつくなるとスリップし、自動腕時計の性能が保たれます。自動腕時計のゼンマイには満弦モーメントとスリップモーメントという2つの重要な指標があり、スリップモーメントが満弦モーメントより大きくならなければ、充分な動作を維持できません。
モーメントが大きすぎると腕時計に「スイング」が現れやすく、逆に小さすぎると動力が不足し、時計が止まる原因となります。また、腕時計には分輪と自動ゼンマイの摩擦離脱機構が存在し、手巻き時計のゼンマイは常に「上不満」である必要があります。
「副ゼンマイ」の給油には、粘稠な膏質油や黒色二硫化モリブデンを使用し、油量は厳格に管理されています。自動時計は、運動量が十分な装着者に対して正確ですが、高齢者や体調が優れない方、長時間座っている人にはあまり適していません。
このように、自動腕時計のゼンマイは精密な設計と技術に基づいており、正確な時刻を刻むための重要な役割を果たしています。